チェリペディアNo.14

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盛岡能◯センター編 2


中学3年にして学区外である盛岡へ行く正当な理由を手にしたおぼとみつは、いつも以上にスカした顔で日々を過ごしていた。

かんは普通だった。

友人との会話でも事あるごとに「盛岡」というワードをこれ見よがしに使う勘違い野郎に仕上がりつつあった。

そして期待と緊張の中迎えた盛岡の塾への初日。

かんは普通だった。

雪の舞う二戸駅に立つおぼとみつは弾む心をよそ行きの服の下に隠し、平静を装いながらS切符(わからないよい子は大人の二戸人に聞いてみよう!)を購入し、列車が来るまでの時間をマジカルバナナで潰していた。何にでも真剣な3人はいつの間にか時を忘れてマジカルバナナにのめり込んでいた。当然、列車の中でもマジカルバナナが途切れることはなく、時を忘れてのめり込んでいった。

「次は〜盛岡〜盛岡〜」はっとして顔を見合わせるおぼとみつ。僅かに表情は固い。

かんは普通だった。

THE CHERRY BOYS が3人揃って盛岡の地を踏んだ歴史的この日。

この後おぼとみつに襲いかかる塾での試練などまだ誰も知る由もなく、ただスカした表情で塾へ向かいながらマジカルバナナを再開したのであった。